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バフェットを知る

バフェットのような結果の継続を追求しています。

油を買うか、技術を買うか?

当ブログではとにかくS&P500に連動するETFを推奨しています。 

k-book-oneday.hatenablog.com

これこそが、知識も経験もない人が等しくお金持ちになれる方法であると信じているためです。なぜこのように強く信じることが出来るかと言われれば、いわゆる赤本の存在が大きく影響しています。赤本というのは愛称で、正しくは「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす~(ジェレミー・シーゲル)」という、米国投資家にとってのバイブルです。

今回はこの本から得られた内容を一部抜粋しつつ、自己の糧とし、読者の方にとって米国投資への架け橋になることができればと思います。当ブログの目的として挙げたように、読者の方の資産形成のささやかな助力となればと思いますので、本日も宜しくお願い致します。

 

 

・成長の罠

 この言葉は至言に尽きると思います。例えば、中国やインドなど人口増加が見込まれる国では、経済も大きく成長すると予想されています。これは人口が増加すれば、消費が増加し、企業の生産も増加する上、雇用もそれに対応できうるので経済は拡大されるといった流れです。では、経済発展が見込まれるこれらの国に投資すれば、成功するのでしょうか?答えは否です。過度に期待しすぎたが故のチャイナショックでした。

 「成長の罠」というのは、「対象の成長<投資家の期待」の時に発生し、「投資家へ過大な対価を求めてくるもの」です。ただ私はこれを読んだとき、こんな気分でした(´・ω・`)

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(「ジョジョの奇妙な物語」より)

何を言ってるか分かりませんでしたが、何かとてつもなく大切なことを言っている気がしました。そしてそれは見事的中していました。この「成長の罠」を理解することはこの本を最後まで読み解くツールとなっているのです。

 

 この概念を実感するために1950年代にタイムスリップする必要があります。

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(「ドラえもん」より)

1950年代では以下のような成長の種が確認されます。

・1948年では米国家庭のテレビ保有台数は14万8000台。1950年では440万台。1952年では5000万台。

・ボールペンの量産に成功

・世界初のコピー機を開発

・世界初のクレジットカード導入

トランジスターの完成

簡単に言えば、1950年代は技術革新の時代です。

 

 さて、この背景を基に、「スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー(現在のエクソンモービル)」か「IBM」の2つのうち1つの銘柄を買うとしたら、どちらを買いますか?

「ううむ、技術革新の時代であることは間違いない。そして技術革新の巨人であるIBMであれば間違いないだろう、将来(2017年)まで存在する会社だ。IBMを買いだ!」と考えた読者の方は少なからずいると思います。初めて読んだときは私もIBM寄りでした。

ちなみに1950年から2003年にかけてリターンはスタンダードオイルだと年率14.42%で、1000ドルは126万ドルになります。一方、IBMだと13.83%で、1000ドルは96万1000ドルになります。つまり1000ドルの投資は24%もの差をつけてスタンダードオイルがリターンが大きいということになります。

 

・成長の罠を見破る

成長の罠とは「対象の成長<投資家からの期待」の時に発生し、投資家に痛い目を見せてきます。上の例を当てはめると、「社会や時代が期待するほどIBMは成長が出来なかった」ということになります。簡単に言えば、「え、そんなもん?」っていうことです。反対に、スタンダードオイルは「え、こんなに?」ってことです。

一見時代の波に乗っておらず、期待もされていない企業は地味に見えます。しかし、その中でしっかりと実績を残し、配当という形で証拠を示すことが出来る企業を保有している投資家は「え、こんなに?」と言えるのです。一方、時代の波に乗っていて、マスコミや周囲が成長する企業はスターのように派手に見えます。しかし、この期待が大きければ大きいほど求められる実績は高いので、これを乗り越えるため、従業員の労力を駆使して期待を超えても永続してアウトパフォームすることは困難です。

 

市場に優位性を確立しても期待されない企業は、つつましく勤勉に労働が行いながらも、優位性のために大きく成果を挙げることができるのです。期待と言うのは時に目を曇らせ、利益を目減りさせるということです。