過去は未来を保証するか?
今回の記事は前回の記事冒頭で触れたことについて考えたいと思います。
過去から得られる最適解はS&P500ETFを買い、配当を再投資しろでしたね。
根拠は前々回記事をご参考下さい。
では具体的に何を買えば!?という問いに対しては、米株ブロガーのたぱぞうさんの記事が示唆に富むので一読なさってみて下さい。
或いは、「ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第11版>」の第15章「取引所上場インデックス・ファンドおよび節税型インデックス・ファンド」の項目から参考にある個所がありますので、一読して見て下さい。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
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ここで、私は2点指摘を挙げたいと思います。
その2つを今回の題目とさせて頂きます。
・配当再投資戦略は時間を要する
・過去は未来を保証するか?
では本日もよろしくお願い致します。
・配当再投資戦略は時間を要する
ハッキリ言うと、少額の配当再投資戦略は地味です。誤解しないで頂きたいのは、地味だからこそ良いのです。配当利回りは、持ち株に対して安定した利回りを叩き出してくれるものですので、勿論保有数が多ければ持たない理由が無いのです。上記は文字として書きましたが、計算式としては、以下になります。
(持ち株)×(配当利回り)=(配当金)
問題は運用する人が少額の投資である場合、配当金の旨みを享受できるか?という点です。配当受け取りは米株の場合、3月に1回であり、保有数に応じた配当をその銘柄に積み増していく…
つまり、式は以下になります。
(持ち株)×(配当利回り)→配当金/3ヶ月
繰り返し当たり前ですが、少額ではこの流れで受けられる恩恵は微小です。なので、NISA枠として米ETFを積み立てとして使うなら分かります。
また、ドルコスト平均法(毎月一定額買い増す)を用いるのなら少額からでもまだ分かりますが、恩恵は保有数が多くなってきてからしか感じられないかもしれません。
例えば米ETFのVOOを4000ドル(約45万円)を買ったとしましょう。
VOOの利回りが1.5%として、400ドルなら20株分買えますので、配当金は以下になります。
配当金額/3ヶ月・・・20株(4000ドル)×1.5%=0.3株(60ドル)
これを1年間保有しているだけで、配当金額だけで持ち株を新規で変えることになりますね。
しかしこれが400ドル(4.5万円)だとすると、配当金額だけで持ち株を買うには10年保有し続ける必要がある計算になります。
どちらが良いか?ということを考えると保有数が大きい方が良いということになります。しかし少額なら保有数を徐々に増やしていくドルコスト平均法が最善腫かもしれませんね。
・過去は未来を保証するか?
「私は少額からでもコツコツやれます!」という方がいれば、それは大変素晴らしいことですし、誇るべきことです。
しかしここでもハッキリ言うと、人生そんな甘くありません。
ジェレミー・シーゲルの著書によれば、ドルコスト平均法の前提条件は「長期的に値上がりするものに限り有効」ということです。
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当然ですね。銀行預金が大好きな人は言わば銀行にドルコスト平均法を用いてる訳ですが、投資対象として最悪です。値上がりは期待出来ず(インフレと手数料などの要因)、金利はほぼ0%です。
「投資対象が分からないから貯金してる」という方は是非勉強して投資してみましょう。オススメは米ETF…(略)
では、この章の本題であり、投資判断に大きく関わる点です。
「1983-2001年の最適解は分かった。ただそれは、将来の利益を保証するのか?」
という点です。
ジェレミー・シーゲルの著書から感じたことは、「概ねYES」ということです。
まず、最適解となる根拠を2点挙げられます。
①利益の源泉は配当であるため。下落時はクッションに、上昇時はアクセルになる。
②配当は安定収入である(シーゲル派で言うコア戦略)。そしてアメリカは他国に比べ配当重視の文化が根付いている
ということです。
アディオス。